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2023年 東京藝術大学 芸術情報センター開設科目 「メディアアート・プログラミングII」(後期 金曜4限) | 2 | true |
2023年 東京藝術大学 芸術情報センター開設科目 「メディアアート・プログラミングII」
(後期 金曜4限)
講師:松浦知也
教室:芸術情報センター(総合工房棟A 2F)演習室1・2
授業概要
本授業では、プログラミングを手段に用いるさまざまな実践を通して、テクノロジーを批評的視座で捉える表現のための基礎知識を身につけることを目指す。メディアアートと呼ばれることのある表現の中でも、映像や音楽をコンピューターで作るものではなく、プログラミングやコンピューターを使うことそれ自体が表現の問いやテーマであるものを中心に扱う。全15回の授業中で大きく次の3つのテーマを扱う。
- 詩とコンピューティング
- 再帰とプログラミング言語
- インターネットと公共財
到達目標・カリキュラム上の位置付け
本授業の到達目標は、履修者がプログラミングを中心とした実践を通して、コンピューターという情報機器の仕組みについてより高度に理解し、自らの制作の手段として導入できるようになることである。
また、コンピューターを中心に成立する今日の情報社会の姿を批評的に捉える視点を獲得することも目標の一つである。
授業計画・内容
内容は進行状況に応じて変更になる可能性があります。
(大学公式のシラバスから一部更新されています)。
- (10/6) オリエンテーション
- (10/13) ターミナルを扱ってみる/10 Print
- (10/20) グリッチ入門:画像と音の相互変換
- (10/27) テキストから作る音:Bytebeat
- (10/31 火曜振替) 配列としてのテキストデータ
- (11/7)Node.jsでのライブラリ利用/単語レベルでのテキスト操作
- (11/14)実行可能なテキスト:L-Systemとプログラミング言語1
- (11/24)実行可能なテキスト:L-Systemとプログラミング言語2/難解プログラミング言語と芸術
- (12/1) インターネットと公共財1/HTMLとスクリーンショット詐欺
- (12/8)インターネットと公共財2/スクレイピングによる表現
- (12/15)インターネットと公共財3/スクレイピングによる表現2
- (12/22)課題制作相談会
- (1/5) 課題制作.1
- (1/19)課題製作.2 (1/12は休講です)
- (1/26).課題発表、講評、まとめ
テキスト・参考文献
- 「Code as Creative Medium 創造的なプログラミング教育のための実践ガイドブック」(2022) ゴラン・レヴィン 、 テガ・ブレイン著 澤村正樹 、 杉本達應 、 米田研一 訳、BNN
- 「遙かなる他者のためのデザイン 久保田晃弘の思索と実装」(2017) 久保田 晃弘、BNN
英語の参考文献:
- "Cracked Media - The Sound of Malfunction" (2009) by Caleb Kelly, MIT Press
準備学習内容・時間の目安
毎回の講義の最後に次回の予習内容を提示する。また各回の講義資料をWebサイトに掲載するので、必要に応じて各自で復習を行う。 自分のコンピューターを用いて作業する場合は、次の授業に必要なソフトウェアのインストールを指示に従って授業開始までにあらかじめ済ませておくこと。
成績評価基準・課題・フィードバック
成績は出席点を30%、授業中に数回提示される小課題点を30%、課題点を40%として評価する。 出席点は毎回授業の最後にGoogle Formでの感想、質問シートの提出をもってカウントする。
小課題は授業内で取り組んだ課題を、データであればそのまま、物理的な形式の場合写真や動画等を含めたドキュメントとしてGoogle Classroom経由で提出する。
最終課題は次のいずれかを15回目までに提出すること。
- 授業内で制作した小課題をブラッシュアップしたもの
- 自由制作(自身の制作に授業内で得た知識を反映したもの)
課題制作は個人、グループでの制作どちらも可とする。
最終課題はWeb上で閲覧可能なものをデータとして提出するか、物理的媒体で提出する場合はドキュメントとして写真や動画、テキストなどを用いてデータ形式でもアーカイブを提出すること。詳しい形式は授業内で指示をする。
最終課題の評点は完成度よりも何を意図して製作したかを重視して採点する。
無条件で、未提出は0点、期限を過ぎての提出は減点とする。
学生へのメッセージ
学生へのメッセージ この授業では、様々なプログラミングを使う実践を通して芸術表現とテクノロジーの関わりを批評的に考える力を身につけます。 例えば、コンピューターに詩を書かせたり、Web上をクロールさせたり、オリジナルの言語を作ってみたり。
コンピューターは必ずしも便利な道具として活用するためだけのものではありません。あえて間違えた/不条理な/無駄な使い方をすることで、技術がどう社会の中で扱われているかを知るヒントになります。授業で得た知識はすぐには役に立たないかもしれません。逆に特定のツールに依存しない、テクノロジーを用いる表現に取り組むための陳腐化しない考え方を身につけたい方の履修を期待します。
必要な事前知識、期待される授業参加態度
プログラミングの経験は問いません。またメディアアートプログラミングIの内容とは連動していないため、独立して履修できます。プログラミングの経験がある人は、初心者の人を積極的にサポートすることが期待されます。
ソフトウェア関係の機材について
基本的にはAMC演習室に備え付けられているコンピューター、Mac mini (M1, Late 2020)を使用します。 現時点で使用する可能性の高いソフトウェアは以下の通りです。
自身のラップトップを持ち込んで作業しても構いません。ただし、macOS以外のOSや、OSのバージョン、ハードウェアの違いによって発生する挙動の違いやバグにはすぐに対応できないことがあるので気をつけてください。 Windowsの場合はWSL(Windows Subsystem for Linux)を使うことでほとんどのツールを使うことができますが、教員がサポートすることは難しいので使い方がわかる方のみ利用してください(Linuxマシンを持ち込む場合も同様)。
現時点で使用する可能性の高いソフトウェアは以下の通りです。
GUIアプリケーション
Visual Studio Code (https://code.visualstudio.com/) 拡張機能の"Hex Editor"を利用します。(https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=ms-vscode.hexeditor) Audacity (https://www.audacityteam.org/)
コマンドラインツール(インストール方法は案内します)
FFmpeg v5.1.2 Node.js v19.7.0
これらのソフトウェアは基本的に授業の週の月曜日までにGoogle Classroomでインストール方法を案内します。 可能な限り、授業開始時には必要なソフトウェアがインストールされている状態になっているように努めてください。
演習室のコンピューターはシャットダウン時にデータを消去するため、作業データは適宜USBメモリ等に保存してください。
コミュニケーションツール
休講等の授業に関する連絡、参考資料、また課題に関するデータのやりとりは全てGoogle Classroomを通じて行います。必ず履修が確定する2週目までに登録を済ませてください。
連絡先
連絡の際は氏名、受講生の場合は受講年度などを添えて連絡してください。
teach[at]matsuuratomoya.com