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title: 2021年度 福岡女学院大学 「サウンド・デザイン」
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# 2021年 福岡女学院大学 「サウンド・デザイン」
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木曜2時限目
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講師:[松浦知也](https://matsuuratomoya.com)
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## 授業内容
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本授業、サウンド・デザインでは音を創ることについての実践的な知識を技術と文化の両面から身につけることを目標とする。
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私たちがある音を聞いて、良い/悪い、あるいはリアル/不自然だと感じる時、それは何を頼りにして判断しているのだろう?
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これを理解するためには、まず音を作ったり加工したりするプロセスや、それに用いられる技術、例えば機材やソフトウェアの使い方、その中に出てくる専門用語などを理解することが不可欠になってくる。
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それだけではなく、そうした技術を使って音を作り上げる時の評価基準、さらにはそうした技術そのものを生み出す原動力となる価値判断を支える文化、社会的背景を理解する必要がある。
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2020年は音楽に対する価値基準が大きく曲げられた年だったのは言うまでもない。
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目の前で本人が迫力ある演奏をするライブが禁じられてしまった現在、音楽家からリスナーに作品が届けられる際に通過する媒体(メディウム)の存在を実感する機会は増えたのではないだろうか?
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これからの音楽、音を使った芸術のあり方はどう変化していくかを考える一つのヒントとして、メディウムの存在に自覚的に向き合ってきたサウンドアート/実験音楽の作品についても積極的に触れていく。
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## 授業の概要
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初回は授業のオリエンテーションとし、それ以降は以下5つのトピックを横断的に取り上げていく。
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1. 音とメディウム / Sound and Medium
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- 音は空気の振動、電気、磁気信号、レコードの溝、デジタルデータなど様々な形態を経由して作り手から聞き手まで届けられる。こうした媒体が作り手と受け取り手それぞれにどんな影響を与えるのか考える。
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2. 音と計算 / Sound and Computation
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- コンピューターの中で音はどうやって取り扱われているのかをPuredataの基礎的な操作方法の習得を通じて学ぶ。
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3. 音と知覚 / Sound and Cognition
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- 音は耳から入り脳へ電気信号として伝わる。その際に、人間の知覚は様々な補正を施す。こうした人間の音に関わる生理的・認知的特徴の基礎をPuredataで実際に錯聴を起こすプログラムを作りながら学ぶ。
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4. 音と本物らしさ / Sound and Fidelity
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- ある音を全く同じように再現しようとすることは音を創る上での基本的な行動である。しかしある音が本物らしいということはどういうことなのだろう? この疑問を音を録音、再生するサンプリング、ステレオやサラウンドなどの空間音響、音のなる仕組みそのものを模倣する物理モデリング合成といったトピックを通じて学ぶ。
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5. 音と機能 Sound and Function
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- 音は時に人に注意を促させたり、感情を想起させたり人に対して働きかける機能を持つことがある。これには人の認知に加えて文化的背景も効果を左右する。ある音がモノや場面、空間に合っていたり、合っていなかったりするのはどういう時か、またそれは何故かについて考える。
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また、全体を通じて、アメリカの作曲家Alvin Lucierの "I am sitting in a room"という作品を取り上げ、今日において音/音楽を作る行為の必然性について実践的に考察していく。
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## 授業計画、各授業へのリンク
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1. [オリエンテーション - Alvin Lucier "I am sitting in a room" / 履修上の注意事項の説明](./class-1)
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2. [音の聴き方を考える - イヤートレーニング](./class-2)
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3. [Puredata入門 基本操作1](./class-3)
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4. [Puredata入門 基本操作2](./class-4)
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5. [録音メディアと音作り](./class-5)
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6. [音を合成して作る - シンセサイザーの基礎](./class-6)
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7. [エフェクター100本ノック](./class-7)
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8. [仕組みの模倣から音を作る-モデリング](./class-8)
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9. [音のスケールと人が聴く仕組み](./class-9)
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10. [錯聴から考える音の認知](./class-10)
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11. [空間音響](./class-11)
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12. [コンピューターにおける音、グリッチ、ゲーム音楽](./class-12)
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13. [音とメディウム再訪 - I am sitting in a roomを作り直してみる](./class-13)
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14. [音とメディウム再訪 - I am sitting in a roomを作り直してみる2](./class-14)
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15. 作品発表、授業のまとめ
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## 参考文献
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### 日本語
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- 「PureData」ではじめるサウンド・プログラミング―「音」「映像」のための「ビジュアル・プログラミング」言語, 中村 隆之, I・O BOOKS , 2015, 978-4777518821
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- Pd Recipe Book -Pure Dataではじめるサウンドプログラミング, 松村 誠一郎, 2012, BNN新社, 978-4861007804
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- 聞こえくる過去, ジョナサン・スターン (著)/中川克志 (翻訳)/金子智太郎 (翻訳)/谷口文和 (翻訳), 2015, インスクリプト, 978-4900997585
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- 音響メディア史 (メディアの未来05), 谷口文和/中川克志/福田裕大, 2015, ナカニシヤ出版 , 978-4779509513
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- ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック ー拡散する〈音楽〉、解体する〈人間〉,久保田晃弘監修,2001,大村書店,4-7563-2026-0
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- Handmade Electronic Music 手作り電子回路から生まれる音と音楽,Nicolas Collins著/久保田晃弘監訳/船田巧訳,2013,オライリー・ジャパン,978-4-87311-595-5
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- チップチューンのすべて All About Chiptune ゲーム機から生まれた新しい音楽, 田中治久(hally),2017,誠文堂新光社,978-4-416-61621-5
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- エレベーター・ミュージック・イン・ジャパン 日本のBGMの歴史,田中雄二, 2018,DU BOOKS,978-4866470566
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- 未来の〈サウンド〉が聞こえる 電子楽器に夢を託したパイオニアたち, マーク・ブレンド/ヲノサトル(訳), 2018, アルテスパブリッシング,978-4865591910
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- Sound Design 映画を響かせる「音」のつくり方, デイヴィッド・ゾンネンシャイン/シカ・マッケンジー(訳), 2015,フィルムアート社,978-4845915651
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### 英語
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- Music 109: Notes on Experimental Music, Alvin Lucier, Wesleyan Univ Pr, 2012, 978-0819574923
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- Designing Sound, Andy Farnell, The MIT Press, 2010, ISBN-13: 978-0262290203
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- Foundations in Sound Design for Interactive Media, Michael Filimowicz編,Routeledge,2019,978-1138093942
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- Designing with Sound: Fundamentals for Products and Services, Amber Case&Aaron Day, 2018, O'Reilly Media,978-1491961100
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## 連絡先
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連絡の際は氏名、受講生の場合は受講年度などを添えて連絡してください。
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teach\[at\]matsuuratomoya.com |