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芸術とデザインとしてのDIY半導体 |
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点接触系はRyan JordanやIoana Vreme Moserをはじめとして結構先例がある。
その焦点はどちらかというと不可視のテクノロジーを材料レベルでクラフトするという、マテリアルの問題であるように見える。
いま注目すべきは複製技術(版画のテクノロジー)が使われていることなのではなかろうか
実験ベースの科学のフラジャイルさ
例えばスピンコーターを最初に立ち上げた時、3000rpm/30sが標準の設定になっているが、実際どのくらいのスピードで何秒回すとちょうどいいのか全く検討がつかない。そこで参考にしている論文をいくつか漁ってみると、なぜかみんな大体3000rpm/30sでコートしていたりする。 スピンコートの回転数or時間が成膜に与える影響が主題になっている論文でもない限り、わざわざ回転数と時間のパラメータを大量に並べてパターンを増やすことはしない。分析時のパラメーターが増えるし。
じゃあそうした、消極的に設定されたパラメーターが何を基準に決められているかといえば、おそらくは参考にした論文と同じパラメーターを使って、そこから1箇所だけ新しい要素の変化を加えて違いをみる・・・というのがいわゆるサイエンスの営みだと思っていたんだけど、実際のところはその辺は省略されて「今回はこの値を使った」という結果だけが論文には残されていて、全てのパラメーター設定に根拠が示されるわけではない。少なくともそれが査読に通っている。
大体、全てのパラメーターについて記述することは確かに現実的ではない。例えばゾルゲル法ZnOベースのトランジスタならとりあえずは次のパラメーターが考えられる・
- 使う基板
- 前駆体溶液の主材料(酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、etc)
- モル濃度は?
- 溶媒(エタノール、メタノール、プロパノールetc)
- 添加剤(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンetc)
- 粘性(viscosity)
- 主材料に対する濃度は?
- 塗布方法
- スピンコート
- 回転数
- 時間
- ディップ&ソーク
- 引き抜き速度
- スピンコート
- 塗布回数
- 乾燥温度と時間
- アニーリング温度と時間
これだけでも結構な数だが、増やそうと思えばまだまだ増やせる。
- 使う基板
- 前駆体溶液の主材料(酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、etc)
- モル濃度は?
- 溶媒(エタノール、メタノール、プロパノールetc)
- 添加剤(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンetc)
- 粘性(viscosity)
- 主材料に対する濃度は?
- 混合は?
- どのくらいの時間攪拌する?
- 攪拌後どの程度時間をおく?
- 塗布方法
- スピンコート
- 回転数
- 回転加速度の分は?
- 時間
- 回転数
- ディップ&ソーク
- 引き抜き速度
- スピンコート
- 塗布回数
- 乾燥温度と時間
- アニーリング温度と時間
- 温度上昇/下降の加速度は?
- 雰囲気ガスは?
これだけいろんなパラメーターがある中で、レビュー論文とかが、「どの要素がどう影響を与えたか」についてを、XRDやSEMなど出来上がったものの観察から、時に反応のモデルのinductionを交えて議論している。
しかし、「この特性が欲しいならこのパラメーターをこう変えれば良いと思われる」みたいな指針をレビュー論文は決して出してくれない。
そうなると、とりあえずなんでもいっからZnOトランジスタ一番簡単に作りたいな!とかなったとしても、一番スタンダードなやり方みたいなのが想像以上に定まってなくてビビる。