quartz-research-note/content/やや弱いコンピュータ音楽.md
松浦 知也 Matsuura Tomoya c18e2fabae
Some checks failed
Build / build (push) Has been cancelled
updated timestamp
2024-02-08 20:06:45 +09:00

66 lines
6.3 KiB
Markdown
Raw Blame History

This file contains ambiguous Unicode characters

This file contains Unicode characters that might be confused with other characters. If you think that this is intentional, you can safely ignore this warning. Use the Escape button to reveal them.

---
date: "2024-02-06T01:46:14+0900"
---
#writings #memo
2021年ぐらいにWorkflowyで書いてたもの
- [Computer Music Tutorial - Curtis Roads] 日本語版読者のために
- 電子音楽は新しいメディアであるとよく言われる。しかし、電気的に生成した音による最初のコンサート1906年、ニューヨーク市 Telharonicホールが100年近くも前に開れていることを考えると、電子音楽が新しいメディアという見方はあまり正しくないだろう。電子音それ自体にはもう新規性はなくなってしまった。電子音楽を作るための大がかりな機械装置や設備の操作は、小さな装置を使った半ば趣味のような作業に置き換えられた。そして最も重要なことは、先駆的な作曲家たちがいくつかの金字塔的な仕事を残したことである。その仕事が、これから我々の進むべき道を指し示している。
- パーソナルコンピュータ時代の到来、サウンドの開放
- これまで制御できなかった、金鉱は至るところにある
- 弱いコンピュータ音楽を少しだけ強くする
- 今日の音楽を生成/再生するにあたって、コンピュータを一度も通らないということはまずあり得ない。
- 例えば
- 作曲/録音側
- 再生側
- そういう意味では、コンピュータ音楽を「コンピュータを使用した音楽」と定義するのであれば、2021年現在に作られている音楽はほぼ全てコンピュータ音楽ということができるだろう。
- 録楽との比較
- これを「弱い」コンピュータ音楽の定義としよう。
- 一方で、これは現在コンピュータ音楽と呼ばれている音楽作品の集合を表しているかと言われれば、直感的には異なるだろう。
- NIMEやICMCで演奏されるようなクラシカルな物はもちろん、例えばパソコン音楽クラブの音楽が直感的に当てはまる、と感じたにしても。
- これに当てはまる定義を考えるのであれば、「作者がコンピュータを音楽制作に用いることに自覚的である」あたりが妥当だろうか。
- これを「強い」コンピュータ音楽の定義としよう。
- 「弱い」コンピュータ音楽と「強い」コンピュータ音楽の集合は、包含関係でもなければ相互排他関係でも無い。
- コンピュータというツール([[DAW]]とか)を無自覚に使用している場合は弱い
- **やや弱いコンピューターミュージック**
- **作品を成立させるのにコンピューターが不可欠だが、コンピューターを使っていることは作品のユニークネスとは特に関係がない**、という状態
- 例えばComputerMusicJournalで議論されて来た音楽に関する探究というのは軒並み強いコンピュータ音楽を作るための試みだったと言えるだろう。
- これまでの音楽プログラミング言語も同様に強いコンピュータ音楽を作るための物だったと言えよう。
- faust/soul/vultとかは例外として。
- [[Sonic Pi]]とか[[TidalCycles]]とかはある意味弱いコンピュータ音楽を目指しているかもしれない。
- これは録音音楽作品の存在論の問題になってくる。sonic piやtidalは楽器を目指しているだろうし、mimiumは楽譜を目指している。
- 「強い」の限界
- 2chPCMはほぼなんでもできてしまう問題(WaveNet含め)
- 手法はともかく、「どう聞こえるか」の問題
- 大衆化していく先端技術
- グリッチ
- グラニュラー
- 手法そのものが考え方のフレームワークになるわけではない、アウトプットの質感を再生産するためのツールが出てくる
- [[mimium]]が目指すところは弱いコンピュータ音楽を少しだけ強くするためのハードルを下げることである。
- なぜハードルが高いのか?
- 再生環境側を変えられない
- 制作環境もロックインが厳しい
- なぜ下げたいのか?
- 散々OvalとかEnoがチャレンジしてきたにも関わらず増えてこなかったよな
- あくまでPoppもEnoも自分でプログラミングしているわけではない
- メタ環境の整備をしなければ人口は増えない
- 花を咲かせても土の面積が増えるわけではない、みたいな、、、
- まあでもそれがプログラマー側の/音楽家の怠惰だと糾弾するつもりもない。
- それが歴史的に必然だっとしか言いようがないし、いい悪いの話ではないから
- そのほうが面白くなると松浦が思っているから。
- 強いコンピューター音楽
- 作品のユニークネスにコンピューターを使用することが関わってくる
- やや弱いコンピューター音楽
- **作品を成立させるのにコンピューターが不可欠だが、コンピューターを使っていることは作品のユニークネスとは特に関係がない**
- 弱いコンピューター音楽
- 頑張ればコンピューターがなくても実現できるけど、コンピューターを使用することで製作/配布/再生/上演が円滑になる
- いつか音楽と呼ばれる-はずだった-もの
- RjDjはなぜ滅びたのか
- 後続のアプリはないこともなかったけども
- 例えばmobmuplat,今もPdPartyとかある
- Adelayとかhibikuとかはどうだろう
- 「万能の器」であるがゆえにムーブメントにはならなかった
- RjDjはこれが新しい音楽だとスタイルを言い切ったのがよかった
- ただ、スタイルで新しさを定義すると陳腐化して長続きしないのだ
- これはOvalprocessもまあそんなもんなのかも