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#writings
仕事から帰ってきて夜9時過ぎ、最近よく見ているVTuberが飲食店経営シミュレーション系のゲームをしているのを眺めていて、このメタすぎる状況は一体何なんだろうと我に返る。
彼/彼女ら配信者は一応労働の一部としてゲームをプレイし、それを世界中へ配信する。飲食系の労働シミュレーションゲームは『Overcooked』シリーズや『Plate Up!』をはじめとしてポピュラーなカテゴリの一つである。こうしたゲームはたいてい、プレイヤーが客の注文に対して並列でタスクをこなしていって、それがうまくいかずに大慌てするのを楽しんだりするものだ。だが物によっては仕入れやサービングも含め、かなりシミュレーションの要素が多く作りこまれたものもあり、忙しさのあまり逆に実況者が無言になってしまうケースもままある。逆に、ゲーム性はそこそこに比較的単純なタスク消化っぽく調整されたものものあり、そういったタイプのゲームでは雑談やらロールプレイの下敷きとして使われていることもよくある。
ともあれ、「SIM」シティシリーズに代表されるように「シミュレーション」はリテラルにコンピューターゲームの一つの重要なカテゴリであり、それはコンピューターが生まれた目的(弾道のシミュレーション)と合致しており、アランケイがパーソナルコンピューターに夢見たメタメディアを構成する根本の一つでもあり、計算機の存在理由そのものと言っていい。
しかし、シムシティとPlate Up!のような飲食経営シミュレーションゲームとではプレイヤーがシミュレーションを行うのか、プレイヤーがシミュレーションの一部として組み込まれるのかという点では真逆の性質を持っている。
飲食経営シミュレーションゲームにおいて、計算機はプレイヤーのためにシナリオとパラメーターを用意し、プレイヤーはそれをなるべく忠実に実行し、そのクオリティの良し悪しを計算機が判定する。ある役割を振る舞うことをプレイヤーに要請するという意味では飲食経営ゲームはシムでありRPGゲームでもある。 (依然、ライバル店だったり協力者としてCPUは存在して、それらはゲーム制作者の想定する世界における店員としてシミュレーションに参加するのだが) --執筆中--
シミュレーションとフィクションの違い(ワイスバーグ)