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quartz-research-note/content/色素増感太陽電池のワークショップをたくさんやった話.md
松浦 知也 Matsuura Tomoya 96ec9f1167
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2025-12-15 17:45

#writings

この記事はオープンソース半導体 Advent Calendar 202516日目の記事です。

物理的に半導体を作りたい

さて、オープンソース半導体コミュニティの活動の多くは、TinyTapeOutのようなシャトルに向けてデータを入稿するためのソフトウェアエンジニアリングです。

一方で近年、Sam Zeloofのようなエクストリームメイカーの活動などに触発されて、物理的に半導体を製造するプロセスのオープン化もやれたらいいよねという流れがあります。

代表的なのはアメリカ中心のHackerFabで、カーネギーメロンやウォータールー大学、オハイオ州立大学などで、多くはまずシリコンを正確に削るためのエッチングのための装置や、酸化被膜形成やドーピングのための高温対応電気炉のような、作るための装置の自作に取り組んでいます。

私も最初はトランジスタを自作したいという気持ちで色々ISHI会の中で話をしながら、大規模な製造装置があまり必要にならない溶液ベースのプロセスディスプレイとかで使われるようなTFT、薄膜トランジスタというタイプのものが作れないかとあれこれ試行錯誤しています。

というか、ずっとしてるんですが未だに作れていません。作れない理由のいくつかに、作ったものを観察する装置(電子顕微鏡とか分光装置とか)がなく、特性を測ってダメだった時に具体的に何がダメだったか確認する術がないという問題があります。まあただ、それはそれです。

太陽電池も作ってみる

トランジスタは以上のような流れでかなり難しいのですが、ここで製造を頑張る方向に一人で動くよりも、まず物理的に半導体を作るのに興味がありそうな人を集めたり、そういうムーブメントがあることを地道に周知するのが良いのではないかと思い始めました。

そこで注目したのが、色素増感太陽電池です。これを半導体と呼んで良いのかは実は微妙なのですが、製造プロセスには溶液ベースのトランジスタ作成とかなり共通した部分があるので、広義の半導体ということにしました。

色素増感太陽電池は、最近話題のペロブスカイトのような新しいタイプの太陽電池の動作原理であり、酸化チタンを用いる単純なものであれば比較的自作が容易です。

例えば(私がこれを作り始めた直後に知ったプロジェクトですが)台湾のアーティスト/デザイナーのShih Wei-Chiehがさまざまなプロジェクトの記録を上げてくれています。

Manufacturing of large dye sensitized solar cell (DSSC) at home - YouTube

また若狭 信次による高校生向けの授業での作り方をまとめた本が2010年に出版されていて、これも随分と参考になりました。

手作り太陽電池のすべて色素増感太陽電池を作ろう | 若狭 信次 |本 | 通販 | Amazon

色素増感太陽電池は、簡単に言えば透明導電ガラスで酸化チタンペーストを焼結、染色したものを挟み込み、間に電解液を流し込む形で作られています。

ワークショップの実施

2025年度は、いろんなものづくり系イベントというか全国各地のNTでこの太陽電池制作WSを実施しました。材料や道具は大体ISHI会の今村さんが持ち出してくれました、ありがとうございます・・・。

NT金沢6月

(松浦は予定により不参加、写真提供埋田さん) !img/PXL_20250621_111006546.jpg

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NT東京9月

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NT福井10月

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ソーラーパネル・カフェ

3回もやると、ワークショップとしての難しさが色々と見えてきました。

まずは、体験時間が長いことです。フルサイズでやると、めちゃくちゃスムーズにやって90分、大体2時間くらいかかります。とくに子供を対象にすることを考えるとこれは長すぎます。かといって、酸化チタンを塗るちょっと難しい、焼く、冷ます、染めるなどにかかる時間はあまり短縮できません。

本来は染色に1晩かけるのをかなりみじk