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ここでは、授業のタイトルである「コードとデザイン」における、デザインがどのような領域を指すのかについて考えることを目的としている。単純なルールから複雑なグラフィックが生まれる過程を通じて、参加者はアルゴリズムやプログラミングといった概念が必ずしもコンピューターに依存するものではないことに気づく。また、同時にデザインという領域が、グラフィックやプロダクトといったものから、人同士の関係性を構築したり、社会に問いを提示するものへと発展してきた歴史についても触れる。
[WSの写真]
### 電子工作脱入門Electromechanical Oscillator
2回目では、電子工作の基礎として、スピーカーと9V電池、アルミホイル、配線のみで音を鳴らす構造を作る。このWSは、イギリスの音楽家John Bowersによる「The Victorian Synthesizer」というワークショップと、サウンドアーティストPaul Demarinisの「Tympanic Alley」という作品を基にしている。スピーカーと9V電池を通電させると、通電の瞬間スピーカーに電流が流れダイアフラムが持ち上がる。ダイアフラムの付近に、例えばアルミホイルで膜を貼り、電線がアルミホイルダイアフラムに触れることで通電するような構造を作ると、ダイアフラムの振動そのもので電線を弾き飛ばし、通電がカットされる。通電が止むと配線は元の接触状態に戻り、再び通電が起き音が鳴り・・・という繰り返しで持続的な音が発生する。
この授業では、電源から配線が負荷に繋がりループを形成すると電流が流れるという電気回路の基礎概念を学ぶ。また、参加者はスピーカーという、電気的なインダクタンスに加えて物理的なコンプライアンス(≒電気回路におけるキャパシタンス成分)などが引き起こす時間遅れとフィードバックが振動現象を引き起こし、コンピューターの基礎を成す要素のひとつであるクロックがどのようにして動作するかを直感的に理解する。
[WSの写真]
### Handmade Computer(3,5回)
第3、5回目を通じて、参加者は紙の上に銅箔テープで形成した回路の上に基礎的な論理回路をトランジスタを用いて構成する。
第3、5回目を通じて、参加者は紙の上に銅箔テープで形成した回路の上に基礎的な論理回路をトランジスタを用いて構成する。第3回は、入力を単に反転するだけのインバーターを実装し、第5回では2つの入力が共に0のとき1を出力するNAND回路を実装する。トランジスタによるロジック回路の構成には、通常のトランジスタを用いたTTLロジックと、FETを用いるCMOSロジックの2種類が検討できる。
紙でやる理由
配線の注意点として、銅箔テープの裏面は粘着剤のため導電性がない。そのため、テープ同士を接続する際は、接点の角を小さく折り返した上で重ね、可能な限りハンダづけもすることを推奨する。もしくは材料の価格は上がるが裏面に導電粘着剤を用いているテープを使用する。また銅箔テープへのハンダ付は、あらかじめユニバーサル基板と比べてハンダの濡れ性が悪いため、可能であればフラックスを必要な数用意することを推奨する。
[NAND回路をTTLとFETのものそれぞれ、実物の写真]
回路構成について、本授業では2024年度まではTTL、2025年度はCMOSで行った。TTLで行うと、トランジスタの個数が少なくて済む一方、ベース抵抗などの部品点数が増える。CMOSロジックの場合、部品点数自体は少なくなる一方で、手で半田付け可能なPMOSトランジスタの入手性が悪い問題がある。本授業では価格と入手性、半田付けのしやすさを考慮して、2SK4017(NMOS)、MTP4835(PMOS)の2種類を使用した。
アドバンスド
リングオシレーター、13
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